京都涉成園 紅葉の賀
10月22日 京都東本願寺別邸 涉成園の臨池亭にて語り会を催しました。
まずは素晴らしい場所・・・
画面左側に十六帖の間があります
今回は由緒ある京都の香木を扱われる 麻布香雅堂 山田眞裕社長にお越しいただき、平安時代の製法に則って、源氏の君の薫りを焚き物で表現して下さいました。開場からその薫りはほのかに漂います。
まずは東本願寺内事部 有職研究会の山口昭彦様が、涉成園についてのお話しをして下さいます。
続いて麻布香雅堂 山田眞裕社長によるお話し
黒方 なんともやわらかな、神秘的な香り 源氏の君の高貴を感じます。
香道を極めておられる竹本様が皆様に香炉をまわして下さいます。
添えられた手に美しいお作法を見るようですが、平安の時代は香道以前の時代、山田社長は細かい作法などは抜きに、おおらかに香を聞くことをご提案下さいました。
そして緊張の瞬間 山口様が介添えをして下さいます
音響の方が凝りに凝って、池の向こう側の築山にもスピーカを設置してくださり、風や鳥の自然の音は池の上を滑るように聞こえてくるのです。
本物の鳥が始終さえずり、池の鯉は元気に何度も飛び跳ねて、やわらかな秋風と共に自然が味方をしてくれます。
平安装束「小袿(こうちぎ)」は十二単よりもラフですが、帯でその重さを消してしまう現在の着物に比べると、肩から打ちかける重みですとんと重心が下に落ちて心地よいものです。京都山科流の先生にお着付けいただきました。
紫の地紋は「輪なし唐草」、白い上紋は「唐花の丸」、緋の切り袴が鮮やかですが、若い方、未婚者は濃紫(こき)色。
登場、退場時に持つ扇は「ぼんぼり」というのだそうです。
京都でのこのような会は、実はとても怖いものがあります。
至らないながらもなんとか終了。
山口様がなんと、皆様に京菓子司 末富様特製の御菓子をおみやげとしてご用意下さいました。
まさに紅葉の賀。縁に紅をさした和紙で香包みにして下さいました。
こちらは後日末富様の山口富蔵様より賜りました「京の秋」!!まさに芸術作品です。
波模様のお皿にのせて、舞のお稽古場で鑑賞、美味しくいただきました。
今回は舞台制作、香道、有職、京菓子 と その道の達人の方々から、そのお仕事の最高の美意識をみせていただき 眞品に触れることの言葉に尽くせない喜びを感じました。
小さな手作りの語り会のつもりが、お陰をもちましてこんなに素晴らしい秋の一日にしていただきました。
この日お心下さった関係者の皆様、そしてお運び下さったお客様に感謝致します。