2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

あはひの物語

源氏物語は王朝の恋愛物語ではなく あの世とこの世のあはひ 境の物語だと思います。朝顔の巻では、朝顔の姫宮に恋情を訴え退けられた源氏が その後紫の上に ずっと胸に秘めていた亡き藤壺のことを語ります。 そのことだまに震えた藤壺の魂が夜半雪の庭に降り…

京都有隣館 春秋の誉れ

4月21日、京都東山の私設美術館の草分け「有隣館」で「胡蝶」の巻を語りました。 女房語りの活動を支えて下さる京都の方々が企画して下さった語り会です。 現館長様の御祖父様が蒐集なさった美術品の数々が静かに気配を醸し出している館内。 開演までの時間…

闇の気配 蛍の光

螢の巻を語り終えました。沢山のお運び、ありがとうございます。六条院という素晴らしい環境の中、人知れず玉鬘の姫が 源氏の大臣の恋情に困惑を深める巻。火をおこさない限り、夜ともなると月星の他には明かりのなかったかの時代。 王朝人は闇の中、焚きし…

3月の声 残響

昨日は3月の声と称する輪読の会に出席しました。3月にまつわる日記や小説、詩を思い思いに持ち寄って、喫茶店の片隅でひっそりと声を交わしあいました。私は芸もなく源氏物語の花の宴から藤の花の宴を原文で聴いていただきましたが、ステージで語るのとは違…