末摘花の三日間
20日能見台Salon de Nogi
21,22日の北鎌倉円覚寺塔頭龍隠庵
三日間の語り会「末摘花」
鼻の赤い時代遅れのお姫様の物語。
Salon de Nogiでは、いつも龍隠庵で音響をサポートしてくれる塩見佐貴枝さんが、
巻にちなんだケーキを焼いてくれ、サロンを盛り上げてくれます。
彼女のケーキは素朴で懐かしい味。創作ケーキ「ひとつ星」で以前も若紫や夕顔の巻の御菓子を作っていただきました。今回は甘酸っぱい林檎のケーキ。
雪の朝、光に映える姫の赤い鼻 で、
粉砂糖に紅玉の煮皮を綺麗にあしらってくれた塩見さん。
絶品。
サロンの皆様と
円覚寺はいつもより早い紅葉が美しく。
岩山が迫る龍隠庵ではもう八回を数える語り会です。
ほのかなそらだきのお香の香り
懐かしい火鉢の暖かさ
普段の語りよりも一人芝居風に語ってみました。
お客様にも恵まれて、滑稽譚を楽しんでくださいました。
21日の終了後にはお客様とのお食事会も盛り上がり、
美味しいお料理でお客様との交流を楽しみました。
気がついたら写真も撮らずに食事が終わって。
22日はあいにく一日小雨が降る中
スイスからもお客様。
塩見佐貴枝さんと。
台本とにらめっこしながらの音響のタイミングも絶妙です。これは実は大変な作業。
集中しながら物語も楽しんでくれる彼女に感謝。三日間付き合ってくれました。
着物は大島紬。正倉院文様が雪の結晶のようで、
雪の朝の寒いシーンにかさねて選びました。
帯はお気に入りの、何時締めようかと出番を待っていた美しい袋帯。
有栖川文様は古風な姫君にかさねて。
帯締めは赤い鼻・・・?のアクセント。
散々な書かれようの末摘花の姫。
気高く生まれながら教養を身につけ損なった、後見人の無い醜女の宿世を、本当の人の美質とは何か と問うように、生まれや容姿での評価に抗えない当時の女性の有り様、社会に一石を投じる紫式部は凄い と思います。