四月二日の語り会

今日震災から九日ぶりに救助された男性がありました。
たどり着けた避難所で、寒さのために沢山の方が命を落としておられる一方で
こうしたニュースは現地で救助を待っている方や救助活動なさっている方々の
大きな力になると思います。

四月二日には京都で中井和子先生三回忌の語り会を企画しています。
東北、関東での語り会が中止になり、控えるべきかとも思いましたが、
逆にこんな時にこそ、
ひしがれるような痛みを和らげるものは必要なのではと思います。
食べ物さえない被災地の方々を支えるのは、
今命を無事に戴いている私たちの力だと思います。
DMでのご案内文は、震災以前に作ったもので、慌ただしく出してしまったので
心に引っかかってしまっています。
その後メールでご案内した皆様には、語り会を予定通り催す気持ちを送りました。
DMで受け取って下さった方にお読みいただけたら嬉しいです。

日本はもともとが揺らぎの国です。
地震津波はいにしえから日本列島に暮らす人々に知恵を与えてきましたが、
西洋に憧れ、土地風土を無視したエネルギー供給の装置を模倣し
こんなにまで肥大させた経済最重視の世の中が、
先人の知恵をすっかり忘れさせていたようです。
今こそ日本の深々としたこころを取り戻すことが求められていると思います。
それは眠っているだけで、今回のような時に目覚める可能性があると信じます。

やまとたましい とは源氏物語に初めてあらわれる言葉です。
戦争に都合良く使われもしましたが、もともとは日本人独自の、
外から入った知識にたよらない洞察力、行動力をいったそうです。
今回の地震で、海外の方達がまっさきに、
私たちのそうしたやまとたましいの一端を発見してくれたことはニュースにもなりました。

中井和子先生の三回忌の気持ちで企画した今回の語り会ですが、自然の猛威と、
自然を無視した経済 利便を追求した結果の惨状にあえぐ東北の地にむけて、
西は命を繋ぐ愛の力を盛んに興し、経済と文化とほほえみを絶やさないように
支援の力に変えていきましょう。
西の地に生まれて東の地に住まわせてもらっている自分にも
そういう役割があるのだと信じたいです。

今回の語り会のお知らせは、皆様を是非にとお誘いするものではありません。
勿論お運びいただききいていただけたら嬉しいことですが、
いにしえと今を繋ぐ源氏物語を語らせていただく身として、
活動を通して今後の復興に関わり、
今をあしたに繋げたいと思う気持ちを述べました。
皆様がそれぞれに、ご自身のお仕事や生き甲斐を通して、
支援をお続けになって下さい。
私のようなものがえらそうに言うことではありませんが、
今こそ心を一つにして、にほんのこころを取り戻しましょう。
                              合掌