繋がってます あいしてる

極小さい揺れでも家の構造によって増幅するのか
間断ない余震にさすがに心細くなって
風邪から喘息の症状もでてちょっと参っていたところに
家から自転車で10分ほどのところにいる詩人で
一人暮らしの「東京のお母さん」から電話があり、
そちらに避難することにしました。
14日の、無計画停電初日のことです。

初日は直前の対応を迫られたりで
予想以上の都市の混乱があったせいかもしれないけれど
結局その日も昨日もそして今日もこの地域は停電なしです。
昨夜はだから自主的に停電しました。
キャンドルを3つ、充電しておいたパソコンで
あずま母に撮りためた写真をみてもらったり、
この間感銘を受けた文章など声にして読んだり
静かに時間が過ぎました。

この時間は貴重でした。
一人だったらどうだったか、揺れるし心細いし、
できなかったかもしれないけれど、その夜あずま母と
肩を寄せ合って過ごした時間は絆を深めてくれました。
ろうそくの火で、顔に火影がちらちらとゆれて
あずま母の瞳の奥もゆれていました。

もし、家族やあいするひとと一緒にいるなら今夜、
停電してみて下さい。TVを切って灯りを消して
朱いちいさなともしみに、命を感じてみて下さい。

火は私たちの心にも手にも暖かさをくれもするけれど街を焼き尽くしもする
私たちはいつもそういうものと隣り合わせに生きているんだと思います。
改めてそれを見つめるとき、今という一瞬が実感されます。

東母の家はネット環境にないので、今戻ってメールをチェックしたりしています。

被災地には知人友人が沢山います。
心配だけれど不安のエネルギーを送らないように心がけています。
スリランカ津波で命を落とした友人の 姉ちゃんと父さんが
会津でまた被災、津波は免れましたがあの時の悪夢が蘇って
心底辛い思いで過ごしています。昨日はその父さんの誕生日でした。
苦しみも喜びも命あってこそ感じることができるのだと思います。

今朝、被災した妊婦さんの出産ニュースをみました。
命は確実に受け継がれていますね。
今日明日だけ見つめると不安に苦しむ現実ですが
きっと日本は再生します。
明治以降、西洋的なものの考え方でつくってきた日本の社会にたいして
日頃埋もれているいにしえの日本人の魂は何かしらの不具合を
感じていたのではないでしょうか。
日本という希有な国に生まれた私たちのこころは今こそ浮上して、
支え合う心で繋がってゆくことを求められているように思います。
不安からの買い占めを控えたり、節電したり、
そしてこんな中でもちいさなふれあいに笑顔を忘れずに生きましょうね。

今日は風が強い日です。
風はどこまでもつながっています
こころもつなげましょう。


追記
これを書いてすぐ、実は電力は余っているとの情報を得ました。
それでも原発が必要だと思わせるための操作だと。
危機感を持たせて結局中止にしても大事なさそうな現状から見ると
あり得ないことではないかと思います。でも
だからといって今無事でいる私たちが、この地震から学ぶべきことを
見逃してはいけないと思います。
余っていようが関係ない
これまで我欲のままに利便要求ばかりして、それに応えないと抗議をし、
それを権利と主張してきた生活のありようを、こういうときに見直さないことには
日本の再興はあり得ないと思います。