突然ぴよぴよ!?

「薄雲」の巻 無事終わりました。
明石の子別れ、藤壷の死、冷泉帝出生の秘密
明から暗へと 長く重い巻でした。
初日はなぜか終盤咳き込んだ後、声がいきなりぴよぴよに。
一瞬ヘリウム吸ったみたいな声になって驚きました。
冷たい雨が降って 当日のキャンセルもありましたが
二日目は満員御礼 濃密な空気に満ちました。
ありがとうございます。

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夜居の僧の告白を山場にもっていこうと
それまでの長い道のりでじわじわと下地作り。
1時間20分と、葵や賢木に比べたらずっと短いのに
内容が濃すぎて体力いりました〜。
本当に緻密に作られた巻ですね。。。

今回の着物はとっておき。
白とごく薄い紫の笹の小紋、とても柔らかい唐織の衣。
控えめで繊細な光沢に一目惚れしてファイト一発キヨブタ購入。
明石の御方が三歳の姫を手放すという苦しみを前に
白い衣ばかりを重ね着て 雪の降り積もる庭の、池の氷を見つめているシーンにあわせて
重ね衿もごく薄い水色と白に桜の地紋の二重かさね。
帯揚げは水色から薄紫へのぼかしで着物と揃いの唐織。

帯は京都作家さんの染めで こちらは藤壺の薄雲のイメージ。
黄色と渋い紫(法事色?)これもぼかしです。
荼毘にふされた藤壺が、夕暮れの黄金の光に映える鈍色の雲に重なるという
仏様の来迎のような神々しいイメージに。。。なんちゃって。

でもそういう気分にまとわれるのは大事だわっ と。
写真ではよくわかんないですね。
ご容赦下さい。

物語の大きな転換期。
源氏の栄華と心の闇。
鈍色の輝き といったところでしょうか。