夕顔のゆかり 玉鬘

連続語り会 第二十回「玉鬘」の巻、ご支援有難うございました。

不覚にも風邪を引いてしまっていましたが、恐れていた咳き込みもなくなんとか無事終了・・・。
反省とともに感謝です・・・!


玉鬘は夕顔の君ゆかりの姫。源氏物語でいうゆかりは、永遠の女性の身代わりとして見いだされるその血縁のひと。燃える恋のさなかにはかなく散った夕顔、その娘玉鬘は、ひたすらたおやかで儚げだった母とは違い、自分の意志と行動する強さを持った存在感ある女性です。
すべて周りがお膳立てをしたとはいえ、舟に乗り込み筑紫から京への旅に耐え、都から奈良長谷寺までの道のりを、徒歩で!歩ききったのです。源氏物語で足裏にマメを作った姫は玉鬘だけかもしれません。
筑紫では求婚者が引きも切らず、
かぐや姫を思わせる姫ぶり、
あてもなく上ってきた京では、
右近と奇跡の出逢いで六条院御殿の住人となるシンデレラのような展開。
けれど父内大臣には逢わせてもらえず、他人の源氏大臣を父と呼ぶことを余儀なくされ、魂の拠り所のないままに玉鬘十帖の物語が始まりました。
そういう意味で、かぐや姫のようでシンデレラのようで、難破船のような、サウダージ感あふれる姫君なのです。
そしてその美しさが、今後、源氏をはじめ六条院に集う殿方の心をくすぐります。物語の展開を楽しんでいただけたらと思います。

着物は袖を通す機会がなかった辻が花。この巻を待っていたかのよう。

本は手に持って語りたい・・・のですが、最近お年頃で焦点が遠ざかってまいりました・・・。特に長い巻の場合は本が重いので、長い時間本を遠い所に掲げていると、腕、肩、首に力が入ってしまうので、今回もやむを得ず見台を使用しました。番茶も出がらし・・・ですが、年輪の香気漂うおなごになりたいものでございます。