京女の寝返り

大修館書店発刊の高校国語の教科書に付随する朗読CDの収録がありました。
今回は今昔物語集より「羅城門」、伊勢物語より「芥川」、竹取物語より「なよ竹のかぐや姫万葉集一首を朗読しました。
風邪がひどくならないのにすっきりもせずにいて、なんだか鼻にかかった声でスタジオに。

今回はみんなSFにたいな話ばっかり。
盗人が羅城門の上に死人の髪を引き抜く老女を見つけて・・・という不気味な羅城門。
芥川は、思いの女をさらって一夜隠したつもりが鬼にぺろんと平らげられてしまうという話。
かぐや姫はご存知竹の中から美女の現れて、黄金なんぞもざっくざく。

万葉集は 狭野弟上娘子
君が行く 道のながてを繰り畳ね 焼きほろぼさむ 天の火もがも

訳は、愛する人と引き離された女の歌、あなたが行く 長い道のりを 手繰り寄せ畳み込んで 焼き滅ぼしてしまう天の火があればいいのに って凄い業火ですねこれは。
古典って奇想天外。なんて自由なんだろう。

スタッフさんから「今度は怪談を」なんていわれてしまいました。
実はなよやかなお姫様より物の怪系のほうが面白く感じます。自分がもののけに近いから?

古典の原文は普段京都の音調で読むので、
教科書用の標準語の音調は頭のスイッチをぷちっと切り替えなければならないのですが、家で練習する時にそのスイッチがなかなか見つからずしばし彷徨。
そもそも古典を標準語音調でというのが私にとってはとても妙な感じがするのですが、
切り替わる感じっていうのが自分の中でもちょっと面白い感覚があります。
メビウスの輪を体験するように、移動しながらある時みょろんと切り替わる・・・うまく言えません。
のぞみに乗って京都に向かう時、
関ヶ原の辺りで人格が変わるみたいな感じがあって、
(最近は浜松辺りで切り替わるようですが)それに近いかなあ、
こんな説明なんのこっちゃわからしまへんなあ。