きものの細尾さんお茶室語り会 人形町

人形町にひっそりとある素敵な着物やさん 千嘉 細尾さんで
語り会がスタートしました。

京都西陣から日本橋にお店を構えられた細尾さん。
お店は普通の着物やさんとはまるで違って「お茶室」そのもの。
実際にここでお茶会やお稽古もなさっています。
こんな空間で語らせていただけるなんて。

柿渋の着物をお召しのお茶の先生が、ご来場のお客様に
源氏物語「若菜」の巻に登場する御菓子「椿餅(つばいもちひ)」を
御抹茶でおもてなし。
椿餅S.JPG
御菓子の中にもいにしえの息吹が息づいています。美味でした。

第一帖「桐壺」は玄宗楊貴妃の物語にかさなります。
最愛の人を失った帝の嘆きと若宮(光源氏)の元服、結婚、胸に秘めた恋。

この日はアンティーク更紗の帯、
そして「花散里」「橋姫」「夢の浮き橋」の意匠源氏物語の着物も展示されました。

御軸とS.JPG

御軸はまた素敵でした。それだけ撮影するのは・・・と記念撮影風に。
江戸中期の肉筆浮世絵。美術商 羽黒洞さんのご提供です。
石山寺源氏物語を構想する紫式部の図です。
時代に合わせて装束が元禄風。くずして座った感じがかぶいてて風情あり。
全貌はちらしでご覧下さい。
茶花は白い「嵯峨菊」。こんなお花があるなんて知りませんでした。
繊細な花びらが可憐なお花。

着物ははんなりピンクグレーの色無地。桐壺更衣の柔らかな人柄にかさねて。
帯はお気に入りの古風な袋帯。紫を軸にまとめてみました。
いつも好き勝手な自分流なので、着物やさんで、というのはちょいと緊張しましたが、
これからのお付き合いの中できもののこと、いろいろ教えて戴こうと思います!!
(終了後の撮影なので髪がくしゃくしゃ!)

音響は鎌倉から塩見佐貴枝さんがきてくれて、
今回も抜群のタイミングでほのかな音楽が流れました。
大修館書店からは京ことば源氏物語の編集者池澤さんが
本の紹介をしてくださり、皆様にもお手にとって観ていただきました。
ご購入くださった方に感謝致します!

七月、円覚寺 龍隠庵の語り会の日、
着物の御用でいらした細尾さんをご紹介いただいて、
後日キッド・アイラック・アート・ホールでの隔月語り会にお運び下さり
この企画が実現しました。
御目にかかった翌日、お月様を愛でる会でご一緒している俳人 三日月座の空見子さんとお親しいことが判って、不思議なご縁を感じました。
中井和子先生も、京都室町の呉服屋さんのお生まれ、
なんだか中井先生が繋げてくださったみたいな気がしています。

次回はいつになるか、もう来年のことを言ってもよさそうなことを鬼もいってますので楽しみにしたいと思っています。