空 海 大地

もうすっかりお正月も終わってしまいましたが
新年早々の一日、東寺、神護寺を訪ねました。
「弘法さん」で京都市民には親しみ深い空海のお寺。
寒い中 御朱印に並ぶ人々、活気のある境内。

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空を目指すようにすくりと立つ五重塔
小さい頃から私にはこの漆黒の立体が
無言で立っている何かのシルエットのように思えてなりませんでした。
近寄るのが怖いような風格と威厳にあふれ
焼失後の再建から四百年経った今も変わらず京都のシンボルです。

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金堂はまた素敵なデザイン
講堂の立体曼荼羅は圧巻なんですがこの日はとっとと京都駅に向かって
バスに乗り高雄へ。

高雄神護寺は紅葉の頃に美しい一日を過ごしましたが
今回は一面雪の寺。
ここも空海ゆかりのお寺。

冷たい空気を深呼吸しながら石段を登ります。

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一段一段景色が変わっていくのに白い溜息をつきながら。

誰もいない 
という
観光地京都では得難いひととき。

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かわらけ投げの場所は見晴らしが良くて
投げるかわらけはなかったけれど
今年への思いをぽおおんと放ってみました。




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このちぽけな思いは どこに届くのかな。


空も海も大きすぎて遠いけれど
同じく大きな大地の一点に
ぽちっと接することを
私たちは許されていて
なかなか見えないどこか を目指して
いつか の地点まで
ちいさな歩幅で歩き続けるんだなあと
さわることの出来ない空を見ながら
冷たい地面を遙かに貫いて地球の中心を共有する
重力に愛された生き物万歳を
足裏で感じたひとときでした。

畏れ多くてちょっと口に出せないけれど
私にとっての源氏物語の大きなテーマを
この日いただきました。