NHK俳句に・・・

今年の国民文化祭で、蕪村を京音調で朗読するという試みを控えて、
TVの講座番組「NHK俳句」にゲストとしてお招きいただきました。

周りには俳句を詠む友人が沢山いるのに私は詠めず、
図々しくもたいした知識もなく向かいました。

今回の兼題は「梅」
私は京ことば源氏物語の桐壺の巻の冒頭を少しだけ紹介させていただいた後、
美しい船場言葉を話される講師の三村純也先生(so dandy)が、
全国から投稿された中から選ばれた12句の作品を南から順に(季節の移り感!)紹介され、先生の評に私も時々加わったりという畏れ多い展開に。
飯田蛇笏が梅を読んだ句、そしてゲストの一句!これは秋の試み蕪村の句の中から
好きな句を選んで、京音調で読む ということで赦していただきました。
いやもともと、私の句なんかをご披露するのではなくて、
俳句を声に出して、しかも蕪村句にふさわしいと三村先生も仰る「京音調読み」を
紹介することが一、だったのです。

だがしかし!
この収録、過酷にもほとんど生本番のようなものだったのです。
リハーサルは一度通しでしますが、本番が始まったらノンストップで収録、
編集もしません。と。『・・・・・え・・・・・』
五,七,五という短い俳句の朗読は、助走なしのその場飛びみたいなものなので
今まで普通に喋っていていきなり!というのは大変だし、きっと
そこだけ抜き取りしてもらえるんあじゃないかしら〜、
なんて考えていたのが甘かった!ワープを要求されたのを、混乱した頭で
「はい、わかりました。」と口が勝手に答えてるやんか〜

本番中はディレクターさんが「あと○分」とか書いたボードをみせはるし、
「そんなん、私は調節なんかでけしませんえ〜」の権化のように
(急に京ことばに時雨れる私)「ここはあせってはいかん」と一読、
そして少し間を取って二読。(時間取ってすんまへぬ〜)

まとめの御話になって『俳句を声にして表現するというのは難しいです〜』なんて話している内に、エンディングテーマが流れ、あっというまに終わってしまいました。
司会の大沼ひろみさんと先生でささっとまとめて下さった記憶がありますが
「あら・・・終わってしもた・・・・・」

さあ、どうなってますやら 
自意識ではもうむちゃくちゃなことになっていますが
私の内感とは関係無しに、番組はおするすると運んでいたみたいです。


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きものは、箪笥の中で出番を待っていた郷野紬。
織る方がご夫婦お二人のみという貴重な紬だそうです。
京都の染色家の先生の染めで、深い紫と茄子紺のあわいにたなびく雲か川筋か 
という白いぼかしがあり、そこに墨の一筆が渦を巻きながら反物の端から端まで
流れているという、一目惚れしてしまってた着物です。
染めの先生が同じ色で八掛も染めて下さって、
でも源氏物語ではまだ出番のなかった一枚でした。
梅とは関係ないですが、帯と帯締めを、霜が立った中に早咲きの紅梅 の気分で
締めてみました。
裏話 襦袢は芥子地に白小梅の模様でした。

まとめ やっぱり俳句を声で表現するのは難しいです。そしてやりがいがあります。

放送は 2/13 午前6時35分、再放送は15日午後2時30分から 25分間です。
よかったら見てください。