魔法使いの弟子

物思い 

それはどんどん膨らんでいく。
果てしなくむくむくと。

源氏の物語の背後にはみえない思いが
幾重もかさなりあってうごめいている

ちょいとそこまで なんて
気軽に出て行けなかった平安時代の姫達は
秘められた奥の部屋で
自分の外の世界に思いを馳せていた。。。
現実的な経験もほとんどない彼女らにとって
庭の四季折々の様子が 物事の変化を想像するたよりになったのだろうか。

でもそれは現代も同じことのよう。
ぽい と外国に行ける世の中だけど
日本の中の、すぐ数百?離れたところで起こっていることは
あきらかにされない。
TVを捨ててしまってさっぱりしてから
ニュースはもっぱらネットでみるようになった。
想像すると想像通りのニュースと出逢う。
そしてそれ以上の驚きと恐怖も。
そして次の日には記事は消えて無くってしまっている。

母のおなかの中に居たとき
これから出て行く世界の夢を
私はみたんだろうか。
母は
「この世界は素敵なところだよ さあでておいで」
と声なく呼んでくれただろうか。

一つの小さな喜び
それはふくふくと身体の中に育って
私を幸せにする。

そして 一つの小さな悲しみ
それにも水をやって
大きく育ててしまってる

「もういいよ」
の魔法をみんなはしってる?

思いも
経済も
原子力も。

とめどなく 見えないものが膨らんでいく。

ゲーテさんよ
魔法使いの師匠を
そっちからよこしてよ。

「 甘いね 」
とお返事。すぐ来る。

じゃあ、このまま
めまえに迫った語り会に
全心を注ぎましょう。
源氏の物語 それこそが
現象と思いの混沌のなかにあるのだものね。