夏のきもの 鉄仙

少し前のことになりますが
空海展に行きました。

今年の始まりは東寺と雪の神護寺
そこで大きな志がおりてきて
これからの活動のテーマともなりました。
語り会に臨むにあたり(おおげさだけど)
空海さんのパワーをいただこうと。

24歳の頃の書の展示にのけぞり。
筆の運びはもの凄くエネルギッシュで
厳格な行書だけど、文字は四方にはじけるような印象でした。
師恵果から授けられた法具はずっしりと
なんだか秘密のことばがみちみちているみたい。

人間って進化してるんじゃないんだなあ。


 
「人間って  大きいんかい 小さいんかい ?」

映画「眠る男」の中で今も胸に占めることば。

本当に大事な事はいつも隠されていて目にふれない。
昔から人はみなそれ故に求道したのでしょう。
それは現在の、知りたい現実が知らされない ということとは違う。
情報で得ることよりももっと漠とした
千変万化してそして不変の
この世の理みたいなものとつながりたいと
探求の旅にでたり、物語を編んだりしたのだろうな。

出掛けていく一方で
神聖な遊びの「場」をこしらえて
神様に来ていただく こともした日本人は面白い。
神様と一緒に遊ぶなんて
きっと西洋の人は聞いたら驚くね。
日本の神様は裁いたりしない。
だからもっと実は厳しいのかもしれない。
だからこれまで繰り返された困難から復活したのかも知れない。

昔の偉人達にふれると
自分が恥ずかしくなってしまいます

さて気を取り直し
この日着た着物は薄いミントグリーン鉄仙柄。
帯もほとんど同色のやっぱり鉄仙。
見えないけど紫とたまごいろの鉄仙花が配してあります。

夏は暑苦しい色合わせを避けて同系色や白を使って
涼しい気分を楽しみます。洋服感覚かな。
Tシャツ一枚で暑い暑いといっているより
きものを着てしまった方がしゃきんとするのは不思議。

空海展s.jpg

この帯を下さった京都の方から
前回のブログの「恩返し」について
江戸時代には「恩送り」と日常的に言っていたとメールを頂きました。
いいことばですね。

空海展では東寺の立体曼荼羅の部分も展示。
高校生の頃恋した帝釈天もおいで遊ばしてます。
展示の総て、見応えがあるのは勿論ですが
館内に満ちる不思議な空気でちょっとタイムカプセルみたいです。
是非お出かけを。