最年少のお客様

先日のキッド・アイラック・アート・ホールでの語り会に
小学六年生のおんなのこが来てくれました。
いつもお聴き下さっている方のお孫さんだそうです。

夏休みの宿題の課題に源氏物語があるそうで
それで来てくれたのだとか。

今回の澪標は十二歳のおんなのこにはしんどかったかなあと思いましたが
ご本人は楽しんで下さったとのこと、
あ・・・・・っと思いました。
もしかしたら
ことばの理解をはるかに超えて
物語の世界に遊んでくれたのかも・・・と
とても嬉しくなりました。

もともと読み解くのが難しい源氏物語
現代語訳と言っても百年前の一地域語 京ことば、
しかも主格をいちいち補わない形で語っているので
ことばを追いかけて意味を理解しようとすると大変。
そこに声に出して語る意味があると思っているのですが
十二歳のおんなのこの感性で
するりと時空の旅をしてくれたのかもしれません。

驚いたことに六条御息所が好きというこのおんなのこ、
「おんなのこ」なんていったら失礼なのかも。
なぜってドラマの中に入ってゆくのに
年齢は関係ないのですから。
私もものに触れるときには
自分のちょっとばかりの経験や知識を背景とせずに
新鮮にどっぷり体感したいと思っています。

そういう天心のこころを
私は あれ心 と勝手に名付けています。

あれ についてはまた書こうと思います。
カテゴリはお絵かきかな。笑われそう。



次回は「蓬生」と「関屋」。
二人の女君との再会の巻を二帖続けて。
近くHPにお知らせします。