三人寄ればに加えてもひとり

お引っ越しと同時にテレビを捨てました。
地デジ政策に対しての疑問もあったし
原発事故以来報道を信じることができなくなったので。

テレビをつけるととたんにそこが部屋の中心になってしまいます。
実家でも誰かがテレビをつけると
ふっとみんながテレビの方をみる

たまに実家に帰ってみんなで時間を過ごしたいときに
それはちょいとした苦痛でありました。

ニュースは知りたいときに確かな筋から得ればよいや。と
ずっとネットから情報をもらっています。

これまでから芸能人や政治家がスキャンダルで吊し上げられているその裏で
とても重大な決定が、知らされないままになされてきました。
テレビや週刊誌やこぞって報道しているとき
「あ 怖いことが進んでいるんだ・・・」と思っていました。

そして影響力のある?タレントさんの引退報道
これはネット上でもニュースのようですが
大事な事は もんじゅの復旧作業が来週にも始まるということ
そしてアメリカの地震によって当地の相当の原発にトラブルが発生してること
これらがお茶の間に流れたら困る人達のひねり出した苦肉の策でしょうか。

政府 原子力開発機構 電力会社が寄り集まって出し合った
もんじゅの知恵にメディアが加わって
目くらましをしているのは茶番劇にも等しいことだけど
テレビ等を情報源とする人々にそれは届いているのでしょうか

これまでこのブログでの心の打ち明けごとは
みなさんからよく言われる「浮き世離れしたともちゃん」としては
世間のなかに決まった立ち位置を求めないことが自然なことでした。
そして三月以降、黒と白とはちがうところでいのちの尊さを
見つめていきたいと思ってきました。
でももう耐えられない。

授業中も窓を閉め切っているなかで勉強するかの地の女学生がいったそうです。
「先生、窓明けてよ、私たちどうせ子供産めないんだから」

この世に新しいいのちが誕生することに
諸手を挙げて喜べない世の中なんて
あっていいと誰が言っているのでしょうか。

昨夜 近くの公園を散歩しました。
緑の茂る土から出てきた蟬(多分ヒグラシでしょう)が
何匹も何匹も地面から30センチくらい登ったところで羽化していました。
沢山残っているアブラゼミの空蝉からははるかに小さく
でも7年の地中生活からでて カラを破ってもう一度誕生したカラダは
空蝉の何倍もの大きさで
清らかな真っ白の全身を風に揺らして
目だけが黒曜石のように光っていました。

こんなに美しい神秘の瞬間に立ち会っていて
そして口では
すごいねすごいね すてきだね といいながら 
自分の身体の奥がきしむような音を立てるのを
私は聞きました。

自然の中のいのちは
どんな環境をも静かに文句を言わずに受けとめている
人間のしていることは他所にしているように
そして結果としての形をみせる
ものもいわずに

人間はこの無言をこれまでさんざん聞いてきたというのに

アメリカという国になっている土地の先住民族
物事を決定するとき
七代先の子孫に対しての問いかけをするそうです。
逢うことのない七代先の子供達が幸せでいられるか

のど元過ぎれば熱さを忘れる ということばは
いつまでも恨まずに水に流すという
日本人のある意味美しい有り様だったかと思います。
でも先の戦争を体験した方達が
その後の生涯賭けてその悲惨さを語っている日本でもあるのです。
大切なことの熱さまで忘れてしまっていいはずはないと思います。

平和なときだけレノンの「イマジン」は流れ
生前 忌野清志郎さんがラヴ ミー テンダーをカヴァーして
「何いっテンダー ふざけんじゃねえ 原発いらねえ ワインが飲みてえ」
と歌って、アルバムは発売停止となりました。
これまで地球は地震があったり火山が噴火したりしたけれど
私たちを 優しく愛して くれたよね

原発反対を叫ぶなかにも
まず人間であることの反省をこめて、
責任を執る側、追求する側に分けたうえで
追求する側に安住してしまうことには
慎重にならなければならないと思います。



日本が 耕す土壌まで失ったことは大きすぎる損失です。
ますます日本という国の足もとが根底から揺らいでくる。

喜びも悲しみも呑み込んで歌われる
ふるさと といううた
「それはどんなところ?」と子供達が問うような日本にしてしまうことだけは
してはいけないと思います。

また 原発反対の気運が高まって
原子力を研究する若者がいなくなってしまうのも問題です。
これから途方もない時間をかけて管理していかねばならない原発に対して
正しい姿勢で取り組んでいく研究者こそ必要なのだと思います。
七代どころではない、すぐ目の前の
そしていのちの鎖がつづくかぎりの後世の為に。

文殊菩薩の名を借りたプルート
勘違いした人間のと夢と欲との権化は
人間が創り出した冥界の王です


 祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
 おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし
 たけき者もつひには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ

いにしえの人に 今こそ習うべきことが沢山ありそうです。
古典を読むこと 語ることが
私にとっての抗議デモです。