再会の物語

キッド・アイラック・アート・ホールでの連続語り会が間近です。
今回は二帖連続で 「蓬生」と「関屋」の巻を語ります。
関屋が短いのでくっつけただけではなく
この二つの物語りは 京に返り咲いた源氏と再会する
二人の女の物語なのです。

源氏物語の個性派女君の筆頭 といえば 末摘花ですが
私はこの人がとても好きです。
末摘花の巻ではほとんど笑いものだったこの姫君。
そやけど今回の巻ではちょっとちがいますのえ。

そして帚木の女といわれた空蝉の君。
源氏を拒み続けながらその女心は震えるばかりに源氏を慕って
そして十二年の年月の後 再会。
思いがけず源氏の熱い志を知ります。
(不完全燃焼やったというか男はんの意地というか、ほんまに根気のええことで)
思わぬかたちで永遠に源氏を遠ざけることになる空蝉。
この時代は女はほんとうに生きにくい時代だったのです。

空蝉の巻を語るときにはどうも感情移入してしまいました。
当時語った女房もお姫様ではないので
空蝉のこころに自分をかさねることは容易だったと思います。

あっという間に私たちの時は過ぎますが
物語の時間もどんどん過ぎていきます
源氏は中将から大将に、そしてこの巻では
権大納言から内大臣にまで昇進。
自信と共に光はいやましに増していきますが・・・。

源氏物語は物語を通して
人のこころのありよう、その変化を丁寧にみてゆくことで
大切なことを気づかせてくれるように思います。

間近に迫った22日(土) 23日(日)
明大前キッド・アイラック・アート・ホールで
3時開演です。是非お誘い合わせの上お運び下さいませ!
http://kyo-kotoba.sakura.ne.jp/kid.html
詳細はこちらでご覧下さい。