蕪村 京ことばにのせて

キッド・アイラック・アート・ホールでの「蓬生」「関屋」が終わり
余韻を味わう間も無く丹後与謝野町へ。
国民文化祭京都。丹後では与謝蕪村顕彰俳句大会があり、
そのゲストとしてお招きいただいて 
蕪村の俳句を京都音調で読みました。
涉成園の時支えて下さったスタッフの方々が今回も
スンバラシイ舞台を作って下さいました。
しかも京都の高校生時代、始めて芝居の手ほどきをして下さった
川徳之助先生が舞台上でのナレーションを引き受けて下さって、
ン十年ぶりに同じ舞台に立たせていただいたのでした!
このお話をいただいてから、どのように俳句を声に出して表現したものか、
試行錯誤してきましたが、音楽、映像、照明が一体となった舞台で
なんとかかたちにすることが出来ました。

春に霞む遠い家
割った薪から立つ木の香り
家族も遠ざけたくなるような夏の暑さ
陽光にのったりうねる潮の香り

折々の香 大気の湿り 色合い 距離感
出来る限りその場にワープして その空気を吸って 声にしようと試みました。

リハーサル前日に案内していただいた大内峠からみた天橋立は横一文字
蕪村が「せきれいの尾」に例えた気持ちがわかりました。
沢山の句碑がある中、竹で組んだ鳥居の側に碧梧桐の筆を写した碑があって、
この京ことば蕪村を企画された蕪村研究の藤田先生が
『僕はあんまりこの字いいと思わないです」と仰った途端、
鳥居の天の部分が バコッ と下がっちゃったんです。見事に。

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「先生、当日雨が降ったら先生のせいですからね」
と天気予報が雨なのを先生のせいにして、
「ヘキゴトーはん、私は個性的な字やと思いますー」とおべっかちゃん。
おまけに私がとちったら先生のせいね。とかいってちゃっかり緊張をほぐしたりなんかして。

本番の出来は客観視できませんが、その世界にふっと入って行けたように思います。
一緒に企画を練ってきた与謝野の方々も大変喜んで下さって、やっと肩の荷が下りました。

一年間私の上司だった「まゆまろ」(上司なのに呼び捨て)と写真を撮ったり、
ご当地野田川に兄嫁さんの実家があるのでなかなか会えない皆さんと会えたり、
嬉しいことがありました。

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上司と藤田先生


支えて下さった皆様に感謝です。。。