弦楽器の祭典
東京に戻って11月4,5,6日のお仕事は 弦楽器フェアでした。
国内外の弦楽器が科学技術館に集まるのです。
職人さんの手仕事の楽器が科学技術館というのが面白いですね。
不似合いというのでなく、職人さんの微妙な手仕事はコンピュータで解析しても
絶対に再現できないことだろうと思うからです。
ヴァイオリンひとつとっても、材料になる木の育った環境や
季節やら工房の状態やら、それに合わせて職人さんがひとつひとつ作っていかれるものでしょう。
それはさておき
このフェアに出展された数々の楽器が、コンサートホールでどのように響くのか
世界を舞台に活躍しておられる演奏家の方々に
次々に弾いてもらう!というすごい試演奏会が同時に地下のホールで行われていて
私はその進行を、もう十年以上になりますか、務めているのです。
司会の仕事は本業ではないのでまったくへなちょこですが
舞台裾で演奏を聴くなんて、あまりない体験に酔いしれて・・・・
酔いしれてる場合じゃないんですこれが。
一回につき50分ほどのコンサート、
5〜7台ほどの楽器を次々に演奏する奏者は勿論大変ですが
舞台に出ては制作者と演奏曲目を間違えないように進行していき
思わぬアクシデントにも対応しなければなりません。
なれないことなので緊張の連続です。
これだけ毎年やってたら慣れても良いところですが毎年新鮮です!
このコンサートが一日4〜5回 6回なんて時もあったかもしれませんが
今年はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ギター、で
リュートやマンドリンの試演奏は無かったので少し楽でした。
ヴァイオリンではあの 川畠成道さんが
1日2回の試演奏会を3日連続で務められたので
合計すると40台以上も初めて手にする楽器を演奏されたかと思います。
普通は自分の楽器をメンテにメンテをかさねて弾くものなのに
これは大変なことだと思います。
でも涼しい顔で素晴らしい演奏を連日聴かせて頂きました。
舞台裾では思わず仕事を忘れそうな瞬間も。
ヴィオラなどは楽器の個体差が大きくて、6センチほども違ったりするのだとか。
今日初めてであった楽器の個性を引き出して演奏するって
すごいことだと思います。
そしてその凄さは進行の私にも影響、
誰の楽器で何を弾くか、ほぼ直前に決まるのです。ひえええ。(そういう凄さね)
源氏物語とはまた違った緊張感で3日間を過ごしました。
そしてまた京都へ。
つづきはまた書きまあす。