新しい年に

新しい年を迎えました。
皆様に寒中お見舞い申し上げます。

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源氏物語 若紫の巻から
まだ伏籠の中にいる雀の子をのぞき込んでいる若紫の姫のイメージです。

昨年は日本にとって試練の年となりました。
けれど本当に越えてゆかねばならないのはこれからの 時でしょう。

一時 一時を かみしめて
二度とはもらえない命を共に生きましょう

毎年恒例の除夜の鐘を静かに突いて
思えばいまここにいることの奇跡のような瞬間に
感謝しないではいられませんでした。
そこから百万遍を抜けて下鴨神社に至る道中は
昨年の雪道と違い暖かいものでした。

雪のましろの 美しすぎた昨年の幕開け
ようやく春と言うときに私たちは大きく揺さぶられ
心地よさばかり求めていたことを反省しました。
今年の幕開けはこれといった特徴はなかったけれど
両親と兄の家族と元気に迎えられたことが何よりの幸せでした。

三日には鞍馬山に登りました。
おみくじを引いて 吉。
てくてく歩いて貴船に抜けて
北野天満宮にお参りしました。
おみくじは 大吉。
わーい とは 思えませんでした。そして
おみくじには つつしみを深く という言葉がありました。

つつしみ という言葉をあらためて思い
自分からでる言葉、態度、すべてが
自分の中をそのまま表しているのだと
表層に終わらない自分を心がけたいと思いました。

女房語りでは、キッド・アイラック・アート・ホールだけでなく
神戸風月堂さん、都内の図書館、そして今年新たに
葛飾区での五十四帖語りがスタートします。
じっくり取り組みたいと思います、
うぶすなの 京都のことばを後に残すのに
源氏物語ほど相応しいものはないのではないかとの思いは
年々強くなっていきます。

今年も心こめて
お聴き下さる方々の心に届くよう
大事に語っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

そしてこんな大変な時期ではありますが
皆様のお心に消えない光が宿り続けますように。