王様の背中

昨年からの計画
源氏物語以外の作品の朗読企画が動き出しました。

3月10日(土) 小田急線経堂駅そばのカフェ
『マレット』で、小さな朗読会です。

『王様の背中』文学界の奇行子 内田百輭先生のお伽噺集です。
タイトルのルビは「わうさまのせなか」だもんね

昭和4年に「コドモノクニ」で発表されたらしいんですが
当時子供にこれを読ませたとはシブイですな。
お伽噺といえ百輭先生ならではの妙ちくりんなその世界は
大人が読んでも狸に鼻をくすぐられるようにけむにまかれて
「・・・いいの?これで」とつぶやきたくなるのです。

版画家の谷中安規さんとのコラボレーションで出された当時の本は
本当に素敵です。
お伽噺なんだけれどどっちかというとブラックな印象のこの本、でも
百輭先生と谷中さんの作る世界はぷふっと空気がぬけている。

ちらしもとっても素敵な仕上がり。

チラシ裏からご案内。

『この本のお話しには教訓はなんにも含まれて居りませんから、皆さんは安心して読んでください。どのお話しも、ただ読んだとおりに受け取つて下さればよろしいのです。(以下略)』
 これは、このお伽噺集の序文であります。いきなりのナゾナゾめいた言葉は、いかにも百鬼園先生のお言葉と言えませう。
 百鬼園こと内田百間先生、漱石門下の中にあつてはその異才振り、奇行の数々がつとに知られるところでございます。飄逸な御人柄と眼力で妙味たつぷりに素描される日常茶飯のあれこれは、先生の有体なる常に似て、どこか浮き世離れした不思議な香りが漂つているのでございます。
 このお伽噺の数々も、読み進みますうちにどこかで見聞きしたやうな気になつて「ははあん」と安心してついて参りますと角を曲がつた拍子に帰る途が分からなくなり、先生もふつとどこかへ消えてしまはれるやうな・・・そんなあやしい興趣に満ちみちてをります。一体に百鬼園先生は少々悪戯でいぢわるなお人柄なのでせう。
 それなら、百鬼園先生のお伽世界にとつぷりと浸り、ひととき骨抜きにしていただかうではありませんか。


3月10日(土) 午後4時開演 (三時半開場)
お代は にせんごひゃくえん
御予約いります。カフェマレットに。
03−3427−7171
11時から23時(3/7はのぞく)にお電話でお願い致します。


源氏物語とはひと味違う世界です
是非運び下さい。

http://kyo-kotoba.sakura.ne.jp/12-3-4.html