朝顔と淡雪と

先日の「朝顔」巻の日に来た着物です。
物語の季節は9月から雪の降る頃。実際の季節はもう薄物の着物を着なければなりません。
巻に流れる気配は幽玄・・・。
ちょうどありました。「螢染め」といわれる絽の着物。青みがかったうす鈍色。
薄ぼんやりとした白いほたるぼかしが藤壺の魂と共に降りてくる雪のようで、ぴったりだったかな。
帯は真っ白とプラチナの銀色の織りが気に入っている夏帯。
真夏の着物で雪の庭・・・。ちょっと面白いですね。
朝顔の君は天地の間を取り持つ巫女、
そしてこの時代朝顔と言えば空色だけだったそうなので
帯締めで青の一筋。帯揚げはほんのり空色のぼかしの入ったもの、
重ね衿もとても薄い水色で全体をクールにまとめてみました。
着物にほんのりちりばめられている銀色の箔がライトで時折きらりと光っていたようです。
照明も夜の深い青、朝顔の花の青から白のグラデーションのような感じにして下さいました。

季節に合わせたきもの選びもたのしいですが、巻に合わせてあれこれ考えるのは
とてもわくわくする作業です。