琴(きん)の琴 これが七弦琴の音

明石の御方は琴の名手です。 父入道が教えたようですが、入道も延喜の帝の直伝を弾き伝えて三代目 とあるように、大変高貴な楽器であることがわかります。明石から都に召還される源氏は この地に残してゆく明石の君に 形見として自身の孤独を慰めた琴の琴を…

フェニキア文字革命と、源氏物語〜「あちら」と「こちら」の境

一つ前の記事をさっき更新したばかりですが、続いてニュース。 圧倒的な写真と深々とした文章で綴られた写真誌「風の旅人」の 編集長佐伯剛さんが、風の旅人ブログに 『フェニキア文字革命と、源氏物語〜「あちら」と「こちら」の境』 と題して文字と右脳左…

孤独に寄り添う松風の響

日々のあれこれを書こうと思いながら時ばかり経って 間近に迫った語り会 源氏物語第十八帖「松風」の巻 変らじと 契りしことを 頼みにて 松のひびきに 音をそへしかな 明石の君は源氏との契りの証しである女御子を明石の地で独り生み育て 三年の月日が過ぎま…

八幡様

お正月ムードはもうすっかり過ぎてしまいましたが 昨年引っ越しをしたので地主神社にご挨拶。 松の内には間に合いました。 地主神社というと京都清水が思い出され 中世の歌にも縁結びの神様として歌われていますが ここは東京。地元の神様ということで勝手に…

新しい年に

新しい年を迎えました。 皆様に寒中お見舞い申し上げます。 源氏物語 若紫の巻から まだ伏籠の中にいる雀の子をのぞき込んでいる若紫の姫のイメージです。昨年は日本にとって試練の年となりました。 けれど本当に越えてゆかねばならないのはこれからの 時で…

光と蔭

12/10 入間市仏子にあるアトリエ空間「アミーゴ」で「夕顔」を語りました。 市の施設ながら、運営は創造力あふれるヤル気満々の入間市民の方々が 何から何までいきいきとこなしていらっしゃる! 大正時代 繊維工業試験場だった建物は かの昔 糸を紡いだ人達の…

「絵合せ」の巻に

すっかり寒くなって今日は雨。 書きたいことが沢山たまっていますが今日はご案内。17,18日の土日はキッド・アイラック・アート・ホールでの連続語り会 第15回、第十七帖「絵合せ」の巻です。都に返り咲いた光源氏は、以前の恋多き男から 揺らぐ思いを抑えて意識…

弦楽器の祭典

東京に戻って11月4,5,6日のお仕事は 弦楽器フェアでした。 国内外の弦楽器が科学技術館に集まるのです。 職人さんの手仕事の楽器が科学技術館というのが面白いですね。 不似合いというのでなく、職人さんの微妙な手仕事はコンピュータで解析しても 絶対に再…

蕪村 京ことばにのせて

キッド・アイラック・アート・ホールでの「蓬生」「関屋」が終わり 余韻を味わう間も無く丹後与謝野町へ。 国民文化祭京都。丹後では与謝蕪村顕彰俳句大会があり、 そのゲストとしてお招きいただいて 蕪村の俳句を京都音調で読みました。 涉成園の時支えて下さ…

再会の物語

キッド・アイラック・アート・ホールでの連続語り会が間近です。 今回は二帖連続で 「蓬生」と「関屋」の巻を語ります。 関屋が短いのでくっつけただけではなく この二つの物語りは 京に返り咲いた源氏と再会する 二人の女の物語なのです。源氏物語の個性派女君…

秋の ほ 本

更新をサボっているうちに秋になってしまいました。この二週間は週末に図書館二館での語り会がありました。 杉並区の方南図書館で「桐壺」の巻 文京区の水道端図書館で「紅葉賀」図書館には本が沢山。 本って魔法の箱。しゃはっと開くと世界が どはあぁぁぁ…

月のうさぎ

これは良寛様からの贈り物。今夜は月の暦で中秋の名月。 満月がちょうど重なって ふくふくしながら観ています。お月様にはうさぎがいる小さい頃 サンタさんの存在よりも確かなことでありました。我が身を見知らぬ餓えた翁に捧げるウサギの話があります。 古…

熊野聖地が

以前高野山から青岸渡寺まで中辺路の古道を歩き 産道をくぐり抜けてもう一度生まれるような気持ちになった熊野。 このたびの桁外れの豪雨で何人もの死者が出 那智大社に土砂が流入 文覚の滝には大岩が崩落して瀧そのものが失われてしまうという被害。ひたす…

貝の火 予言の書

宮沢賢治の作品「貝の火」はこんなおはなしです 純粋な子うさぎのホモイがある日 川に溺れたひばりの雛を救います。 始めて遭遇するそのうごめくものの命にふれて 無垢なホモイはそれに畏れを感じます。 勇気を奮い立たせたうさぎはその後熱病にかかりますが…

三人寄ればに加えてもひとり

お引っ越しと同時にテレビを捨てました。 地デジ政策に対しての疑問もあったし 原発事故以来報道を信じることができなくなったので。テレビをつけるととたんにそこが部屋の中心になってしまいます。 実家でも誰かがテレビをつけると ふっとみんながテレビの…

jazzライヴ 

大口純一郎さんのトリオのライヴを聴きに行きました。8時くらいから始まって終わったのは11時半。 たっぷり3ステージを楽しみました。煉瓦の内装、古時計、各テーブルにアンティークの電話が置いてある 素敵なライヴハウス。大口さんはピアノ片手に全国をか…

磯江毅さんの絵に衝撃

土曜日に 磯江毅 グスタボ・イソエ マドリード・リアリズムの異才と称された絵画展に。驚きの絵画展でした。スペインで活動の後日本にアトリエを構え 緻密さ故に一作品ごとに時間をかけながらも 沢山の作品を残した夭逝の画家。 存在さえ知りませんでした。写…

最年少のお客様

先日のキッド・アイラック・アート・ホールでの語り会に 小学六年生のおんなのこが来てくれました。 いつもお聴き下さっている方のお孫さんだそうです。夏休みの宿題の課題に源氏物語があるそうで それで来てくれたのだとか。今回の澪標は十二歳のおんなのこに…

夏のきもの 鉄仙

少し前のことになりますが 空海展に行きました。今年の始まりは東寺と雪の神護寺、 そこで大きな志がおりてきて これからの活動のテーマともなりました。 語り会に臨むにあたり(おおげさだけど) 空海さんのパワーをいただこうと。24歳の頃の書の展示にのけ…

祈りの日に 閉じられた箱を

キッド・アイラック・アート・ホールの連続語り会、 今回は8月6日、そして7日の日程でした。 ただいまの世の中で、また新たな意味を持ち始める8月6日 祈りの日。 そして二年前の今日8/8はキッドで語り会を始めた日。 お陰様で三周目の螺旋を昇り始めました。暑…

魔法使いの弟子

物思い それはどんどん膨らんでいく。 果てしなくむくむくと。源氏の物語の背後にはみえない思いが 幾重もかさなりあってうごめいているちょいとそこまで なんて 気軽に出て行けなかった平安時代の姫達は 秘められた奥の部屋で 自分の外の世界に思いを馳せて…

身を尽くし

来週に迫ったキッド・アイラック・アート・ホールでの隔月語り会。 澪標の巻。みおつくしってなに?とよく訊かれます。 これは航行する舟の標。 大阪市章がこの図ですね。小倉百人一首[元良親王]わびぬれば 今はた同じ難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ…

チュニジアからのたより

チュニジア ジャスミン革命のレポートを送って下さっている チュニスに住む友人から、近況が届きました。 嫁いだチュニジアで、革命後の混沌とした社会情勢に暮らし、かつ 故郷の日本が絶えない地震と原発の恐怖にさらされていることに 心を痛めている彼女。…

聖なるかな このしののめの そら

東照宮に行って感じたのは この地が聖地なんだなあということ。 もちろん東照宮があるからじゃなくて その土地自体のこと。だから宮ができた。 華厳の瀧のもの凄いエネルギーがこのあたり一体を包んでいる。榛名神社に行ったときにも 戸隠で舞を奉納したとき…

澪標 もうすぐ

キッド・アイラック・アート・ホールの隔月連続語りが目前。 前回からまだ一月なのにね。 6.7日の土日です。巻はみおつくし。 澪標 というのは航路のしるべのことです。 都に返り咲いた源氏、新しい局面が展開。 密通してできた御子が、皇太子から帝に。 そして…

東照宮

海の日 海には行かずに日光へ華厳の瀧は白い龍でした。 那智の瀧でも同じように思ったけれど 無数の小さな龍が集まって一匹の大きな白い龍の身体をつくっていて 隙もなく身を投げている 滝壺に向かって。岩に砕ける龍もいて、それは瞬間霧となってまた立ち昇…

足枷よさらば

ギプスがとれましした〜あ!! ああ、うれしい きもちいいどうやら風邪を引いたようで、咳がこんこんと苦しい夜を過ごし 浅い眠りで寝不足気味 おでこは熱くないのに 脚の付け根の辺りが燃えるように熱い〜 気温が高いのに風が吹くと寒気がする〜 頭が痛いの…

シンクロナイズドリーディング ?

カラ梅雨が明け、新居の東側の窓からは朝日がさんさん じゃなくて ギンギンにさしてアサッパラからとても暑いので 最近の午前中は東側の雨戸を閉めています。 太陽の黒点がどどどと増えているようです。 黒点がまったくなかった去年から今年、 地球を取り巻…

復活

四月のキッド・アイラック・アート・ホールからふっつり更新せずにいましたが いろんな意味で復活!です。 四月の隔月公演の翌日、にわかに引っ越しを決め、その準備に取りかかりました。 ひと月足らずの猶予しかありません。 ん十年の歳月と共にふくらんだ持ち…

元気でいます

ブログの更新が絶えているので皆様から どーしちゃったんだ とメールなどいただき ご心配かけました 元気でおります。 京都の語り会の後、キッド・アイラック・アート・ホールでの須磨の巻 そして突然に決めたお引っ越しとその準備 そして被災地へ めくるめく日…